豆腐と高野豆腐
栄養価や保存性、製法などの違いをくわしく解説
「高野豆腐」ってどんな豆腐?
たんぱく質が栄養素の半分を占めるスーパー食材
高野豆腐には、たんぱく質、カルシウム、鉄分がたっぷり含まれています。
栄養素 | 含有量 | 特徴・効果 |
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たんぱく質 | 8.5g | 筋肉や肌を作る、大豆由来の植物性たんぱく質 |
カルシウム | 81mg | 骨や歯を丈夫にする(牛乳と同等) |
鉄分 | 1.0mg | 貧血予防、エネルギー代謝を助ける |
レジスタントたんぱく質 | 3.0g | 身体に吸収されにくく食物繊維に似た働きをする |
食物繊維 | 0.2~0.6g | 腸内環境を整え、便秘予防に効果的 |
脂質 | 5.7g | 体に良い不飽和脂肪酸が豊富 |
カロリー | 87kcal | 栄養価が高いが、低糖質でヘルシー |
「豆腐」と「高野豆腐」のちがい

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1.製造方法
豆腐は生鮮食品のように水分を多く含んでいるため、おいしく食べられる期間が短い。高野豆腐は「加工食品」で、乾燥させているため長期保存が可能。
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2.食感
豆腐はなめらかでやわらかい。
高野豆腐は水分を含むとスポンジ状に戻り、加熱調理するとふわふわ、熱湯に浸すとドロドロにとける。 -
3.栄養価
豆腐は低カロリーでヘルシー。高野豆腐は1ヶ月弱の低温熟成により凝縮された栄養が豊富で、特にたんぱく質・カルシウム・鉄分が多い。
高野豆腐の歴史
高野豆腐の歴史は約800年。
鎌倉時代(12~14世紀)に、和歌山県の高野山(こうやさん)で作られたことが始まりとされています。
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1.起源:2つのルーツ
高野豆腐のルーツにはいくつかの説がありますが、有力とされる説を紹介します。1つ目は、800年ほど前に、高野山の厳しい寒さによって豆腐が自然に凍り、生み出された、和歌山県の高野山に由来する「高野豆腐」の説です。また、冬夜の冷気で凍らせ、昼間の陽光で溶かしながら自然乾燥させる長野や東北地方で作られる「凍み豆腐」の説もあります。ここでは和歌山県の高野山に由来する説をご紹介します。
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2.江戸時代:全国に広がる
江戸時代(17~19世紀)になると、高野山の僧侶や参拝者が土産として持ち帰ったことで全国に広まりました。
また、保存が効くことから戦国時代には兵糧(戦場の食糧)としても利用されました。江戸時代には、高野山でよく作られていたことから「高野豆腐」という名前が定着しました。 -
3.明治~昭和時代:家庭の定番に
明治時代(1868~1912年)になると、高野豆腐の生産技術が発展し、庶民の食卓にも普及しました。
昭和時代には工場での大量生産が始まり、家庭で手軽に食べられるようになりました。 -
4.現代:健康食品として注目
最近では、高野豆腐の栄養価の高さが注目され、ダイエット食品・高たんぱく食品として人気が高まっています。
また、ブロック状や粉末状のもの、即席で食べられるタイプなど、さまざまな商品が登場しています。